※刺激の強い映像を含みますので、ご自身の意思でご覧になるか決めてください。 フェイキックIOL(有水晶体眼内レンズ)とは現在広く行われているレーシックなどと同じように近視や乱視を治療する視力回復手術です。
白内障手術によく似ていますが、白内障手術では濁った水晶体を取り除き、新しいレンズと置き換えますが、フェイキックIOLは水晶体を残したまま近視や乱視を治すためのレンズを眼内に挿入します。
新聞紙上などで「永久コンタクトレンズ」としても紹介され、世界的にも症例が増え続けています。
レーシックなどの視力回復手術は、エキシマレーザーを照射し角膜を削り、そのカーブを調整することで近視や乱視を治療します。そのため、レーシックは治療できる近視の度数に限界があり、角膜の強度を保つために、度数に対して角膜が薄い方は手術そのものが行えない場合もあります。
また、仮に強度近視のレーシックを行い視力が回復しても、削った角膜はスリガラス状になり、収差が増加することにより見え方の「質」が低下してしまい、元に戻すことはできません。
その点、フェイキックIOLは、角膜は削ったりしないので、強度近視のレーシックで出現する収差も増加せず、47~50歳以上の老眼年齢になるまで、「質」の高い視力状態でとても自然な見え方が得られます。角膜の厚さや近視の度数と関係なく手術することができるので、レーシックでは適応が非常に限られる-10D以上の最強度近視でも治療が可能です。また、角膜の形状が不正でレーシックが不向きな方にも対応可能です。その他のメリットとして、手術後に万が一問題が生じた場合でも、レンズを取り出すことで眼の状態を元に戻すことが可能な点が挙げられます。
後房型(毛様溝支持型) Staar Surgical社ICL 日本で唯一の認可レンズ |
前房型 OPHTEC社ARTISAN 世界的に減少傾向 |
隅角支持型 Ophthalmic Innovations International社 PHAKIC6 現在はあまり用いられない |
欧米では、数種類のフェイキックIOLが製造されておりますが、日本では厚生労働省から認可を受けているのはStaar Surgical社製ICL(後房型)のみです。(厚生労働省から公開されている薬事法の改正内容の詳細はこちら。)1997年にヨーロッパでCEマークを取得しその後全世界へと広がり、日本では2010年に厚生労働省の認可を受けました。これまでに累計200万枚の実績があり増加し続けています。後房型であるICLは他のタイプのレンズと違い、光彩(茶目)より後ろに挿入されるので、レンズが他人から全く見えません。これに対し他院で使用している前房型や隅角支持型は見た目でレンズが確認できてしまう上、これまで合併症が多く報告されており当院では用いておりません。
この手術は非常に繊細な技術が要求されるため、講習を受け、テクニカルトレーニング、プロクターによる実技試験をクリアした医師にライセンスが発行されます。認定を受けた専門医のみが施行可能な手術です。
手術は、点眼麻酔で痛みは感じません。片眼約10分、両眼約20分~30分です。(消毒や準備時間も含む)
手術後は保護用眼鏡をかけて帰宅が可能です。手術後のスケジュールは白内障手術と同じです。
フェイキックIOLは何十年も劣化なく使用できますが、将来、患者様が高齢になって(強度近視の場合、手術の既往の有無に関わらず約55歳から白内障がでてきます)白内障による視力低下が起こった場合、すでに眼に挿入しているフェイキックIOLを小さな創口から取り出し、通常の白内障手術を行うことで視力回復できますので、問題はありません。
自費の診療ですので、手術後6か月間の外来診療費、治療薬剤も手術費用に含まれております。